注意欠陥多動性障害( ADHD)
症状や治療について
不注意、多動性、衝動性によって特徴付けられる発達特性で、12歳以前から下記のような困りごとになって現れます。
・忘れっぽい、忘れ物や紛失物が多い
・ケアレスミスが多い
・気が散りやすい
・順序立てるのが苦手、部屋の片付けが苦手
・長時間じっとしていられない
・思考の対象や話題が次々にうつる
・待てない、列に並ぶのが苦手
・カッとなって暴言や暴力に及んでしまう
自らの特性を把握し対処することや、学校や職場では可能な範囲での配置転換などの環境調整が考慮されます。
自閉スペクトラム症と同様に特性の濃淡という捉え方が重要で、社会人になるまで特性が目立たないことも多く、うつや慢性的な不安に繋がることもあります。
特性を穏やかにする薬物療法があり、アトモキセチン(ストラテラ)、インチュニブ、コンサータ、ビバンセが用いられます。
まず最初に用いることが多いのはアトモキセチン(ストラテラ)で、副作用として吐き気などがありますが、個々人に合わせて量を調整することで飲み続けられる方も多いです。
衝動性が強い方にはインチュニブが効果的ですが、副作用として特に低血圧に注意が必要です。
コンサータ、ビバンセは登録制のお薬で、処方開始にあたっては、第三者からの症状に関する情報が必要となります(通知表、母子健康手帳、連絡帳など)。
他院でコンサータ、ビバンセを処方されていて当院での処方継続をご希望の方は、必ず診療情報提供書(紹介状)あるいはお薬手帳をお持ちください。